SPAM 対策講座

はじめに

このページは、ニュースグループに関してある程度の経験と知識を持った方を対象にしています。

SPAMは、実に多くのアダルトサイトがもっとも手軽に行える宣伝行為として、非常に頻繁かつ大量に行われています。
現在、これに歯止めをかける方法は法律など強制力を持つものは皆無です。

したがって、防ぐ手段がない以上、我々が選別していくしかありません。
このページでは、それを出来るだけ効率的に行う方法を紹介します。
しかし、その多くは地道な手作業によるものであり、労力を惜しむ方は我慢するか素直にニュースグループを見ることをやめるかしかありません。

「SPAM対策に王道なし」

これを肝に銘じて下さい。

傾向

まずSPAMの傾向を見ていきましょう。
本文中、「フィルター」という単語が出てきますが、これは特定条件に合致する記事を自動的に無視する機能です。
使えるソフト、使い方などは後ほど具体的に説明します。

1.アドレス(URL)が見える

タイトルや差出人にURLらしきアドレスが見えます。
もっとも宣伝らしく、見分けるのも簡単です。
これらは後に解説するフィルターでも選別するのは非常に簡単です。

2.メールアドレス

差出人のメールアドレスに着目すると、特徴が多いことが分かります。
たとえば、「webmaster@xxx.com」などというのは典型的な例です。
また、女性名が非常に多いというのも特徴といえます。 「jasmine@xxx.net」などです。

我々が見ようとしているアダルト系ニュースグループに女性が出入りしていることはあまりあるとは思えません。
あったとしてもどれほどの数でしょうか。さらにそのうち何人が我々がダウンロードして得する画像を含んだ投稿をしてくれるかを考えると、 差出人が女性になっている投稿というのはたとえそれらしく見えてもほとんどが宣伝と考えていいでしょう。

3.やたら記号を使う

タイトルに「+」「!」「<」「>」など、記号文字をやたら使います。
多分目を引くためなのでしょうが、そのおかげで記事のタイトルを使ってソートした場合に、必ず頭のほう(降順の場合は後ろ)に集まります。
これだけでもかなりの記事が減らせるでしょう。
ただし、フィルターなどで「!」など一般記事でも使われがちな文字を指定してしまうと、まともな記事まで巻きこまれます。

4.場違いな単語を使う

どう見てもそのグループに関する記事ではなさそうな単語をタイトルに冠しています。
たとえば、「hot」「wet」「sexy」「live」「free」「site」「pussy」などがそうです。
前3つは、一般形容詞なので正当な記事にも使われそうですが、たとえばa.b.p.e.bondageなど、それほど直接的にSEXを目的としたグループでない場合、これらの単語はそれほど使われません。

5.同じ記事・ファイルを繰り返し投稿する

いわゆるマルチポストというやつで、ソートしたりすると比較的簡単に見つかります。
同じファイルはリポストの可能性もありますので、1枚ぐらいはダウンロードしてみて、中身を確認した方がいいかも知れません。
もし宣伝用の画像ならば、即開封してしまいましょう。

実際の対策

さて、SPAMには上のような傾向があることが分かりました。
これらを生かし、SPAM対策をとるわけですが、その方法は2種類あります。

・ソートなどを駆使して、地道に開封して取り除く

誰でも出来るのがこれです。SPAM対策の基本でもあります。
タイトルや差出人などを使ってソート(並べ替え)し、SPAMらしきものを片っ端から開封してしまいます。
実に単純で本当に地道な作業ですが、ある意味確実な方法です。

・フィルター機能を使う

一番理想的な方法であり、楽な方法です。
これを利用するためには対応したニュースリーダかソフトが必要です。
私が知っているのはMicrosoft製の「Outlook Express」です。

では、以下にその使い方を説明します。
Outlook Expressの設定は、「ニュースリーダの設定」に載っていますので、ここでは割愛します。

フィルターの設定

Outlook Expressのフィルタ設定画面を呼び出しましょう。
「ツール」の「ニュースグループフィルタ」を選択します。
現れる画面が図1です。

図1

ここに、設定したフィルタの一覧が表示されます。
「上へ」「下へ」というボタンがあるのは、この一覧の上にあるものから優先されて使われるためです。

新規に作成する場合は「追加」、すでに登録されているフィルターを編集するには、フィルターを選択してから「プロパティ」を押します。 ここでは「追加」を押してみましょう。
現れる画面が図2です。

図2

実にわかりやすい設定画面ですね。そのままです。
もう特に説明する必要はないくらいです。

「フィルタをかける場所」

フィルタの対象とするグループを指定します。
これを上手く利用すると、特定のグループに関して成り立つSPAM条件を設定できます。
たとえば、「alt.binaries.multimedia.erotica」というムービーファイル中心のグループがあります。
ここを見る人にとって、目的のファイルと言えば「.avi」や「.mov」「.mpg」などの動画ファイルであり、画像ファイルは目的外です。
そこで、このグループのみのフィルタ対象として「.jpg」「.gif」「picture」「pics」「pix」などを含めます。
そうすれば、ムービーファイルなどを残して、画像ファイル名が書かれているメッセージは全て消えます。
音だけ聞いても仕方が無いという人であれば「.wav」「.ra」などをさらに追加してもいいと思います。
SPAM以外も消えてしまいますが、ムービーファイル以外に用は無いというのであればかなり効果的でしょう。

フィルタの条件

一番肝心な設定ですが、ここを間違うとほかの記事までフィルタしかねないので注意する必要があります。
たとえば、先の「傾向」の所でも少し書きましたが、一般的な形容詞は、通常の記事に使われることもあります。
これらを単独で指定してしまうと、対象範囲がかなり広まってしまいます。その場合、複数の単語を条件に指定してしまえば防げます。
指定した単語は関係ない単語の一部として出て来た場合もフィルター対象になることに注意して下さい。

忘れてはならないのは、ここに指定する単語は「ANDな関係である」ということです。わかりやすく言えば「"かつ"な関係」とでもいいましょうか。
つまり、複数の単語が指定された場合、両方の単語を含む記事のみがフィルタされると言うことです。
フィルタに「free adult site」と指定した場合、「free」「adult」「site」の3つの単語を含む記事のみがフィルタされ、3つのうち2つだけ含むと言った場合には無視されます。
また、「差し出し人」と「件名」の間も「ANDな関係」ですから、たとえ「件名」の方に「htp://」を指定しても差出人に含まれる「http://」は無視されます。 どちらかに「http://」が含まれる記事をフィルタしたいのなら「差出人」に「http://」を指定したフィルタ、「件名」に「http://」を指定したフィルタの2種類を登録する事になります。

フィルタの弱点

フィルタは中身を確認しているわけではないので、もしかしたらSPAM以外の記事も巻き込まれるかもしれません。これは多少の犠牲は仕方がないと思ってあきらめて下さい。しかし、フィルタのかけ方が上手になれば、それも少なくなるでしょう。 また、上までで述べてきたように、フィルタに指定できるのは単語のみです。
それに完全に合致する場合のみがフィルタされます。
最近のSPAMはそれを知っており、毎回差出人の設定を変えたり、単語の文字を1次づつスペースで区切ったり(「www.xxx.net」なら「w w w . x x x . n e t」)して、フィルタ対策をしてきています。
こうなった場合、我々に出来るのは地道にやる手作業です。

結局は、人間の手によるしかないというところが、コンピュータの世界です。